リタイアは会社人間から地域人間になる瞬間。地域貢献と仲間作りを何よりの楽しみにして!

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特定非営利活動法人 湘南ふじさわシニアネット(SFS)
代表理事
二宮欣司さん/Kinshi Ninomiya

やりたいことも出来ることもあるのに、発揮する場所が地元にない…。くすぶっているリタイア層の元気パワーを地元貢献に役立てたい! 出会いの場を作りたい! そんな思いから設立に至ったという「湘南ふじさわシニアネット」代表の二宮欣司さんにお話を伺いました。設立から5年、会員数は83人(2008年10月現在)。ITを得意とする事業型NPOとして着々とお仕事を伸ばしつつ、最近は会員同士の趣味の会も自然発生的に湧き上がっているそうです。

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設立のきっかけと経緯を教えてください。

シニア層のコミュニティを地元に作りたい、という構想は、実は在職中から練っていました。もともとネットコミュニティ構築の仕事に携わり、全国10万人の女性専用ネットコミュニティを運営した経験もあります。こういったコミュニティは地域にも必要ではないか? そこから始まって、リタイアした2003年には友人有志2人と計3人で「湘南ふじさわシニアネット」を設立しました。

気持ちの上のきっかけは、50歳代後半になって先の人生が見えてきたとき、「これからの20年をどう生きようか?」ということを考えたことです。これからの20年が大事ではないか…。リタイアを機に“会社人間”から“地域人間”に変わっていく決断が、自分の中にもあったように思います。ずっと会社の中で生きてきたけど、これからは地域に暮らし、地域で人生を終える死んでいくのですからね。逆に言えば、会社ではやりたくても出来なかったことを、今こそ地域において実現しようと思い立ったわけです。

「何かやりたいけど場所がない」と、私のようにウズウズしているリタイア層は、この湘南地域藤沢にもたくさんいるはずです。場を作ればいろいろな人が来てくれる。その予想は見事に的中しました。2004年3月30日にNPO法人設立総会時に認証を受け、市役所にて新聞数社を呼びメディア数社に呼びかけて発表したのですが、多くの誌に取り上げてもらえ、一気に60人ほど集まりましたよ。



事業型NPOということですが、具体的な活動内容は?

パソコンレッスンなどIT教育事業、パソコントラブル支援PC&LAN事業、ホームページ制作、アプリケーション開発、また、ISOコンサルティング、経理業務、地域や行政、研究機関と協働事業など、10のワーキンググループがあります。中には事業に至らない活動もありますが、地域に求められるスタイルとスピードで進めている状態です。

活動の具体例を幾つか挙げましょう。まず、商店街のホームページのメンテナンスや作成があります。藤沢には43の商店街があり1650店のホームページが掲載されています。ところが蓋を開けてびっくり。作るだけ作ってメンテナンスされていないのが実状です。若い人がいれば自力で更新したり独自のホームページを制作されもするでしょうが、歳を取った人のお店はメニュー価格一つを変えることも出来ませんよね。そこを、我々が代行して請け負ってやるんです。メンバー15人がそれぞれ店やエリアの担当を決め、随時メンテナンスや新たなお店のホームページを作成します。作業は自宅のパソコンでも行える作業です。

地域ポータルサイトも手掛けているんですよ。「えのしま・ふじさわポータルサイト」は、もともと藤沢市が運営していましたが、2年前協働事業公募のコンペで私たちが勝ち取りました。スタート時は月間1万5000件のページビューだったのが、私たちが運営するようになってコンテンツの更新を増やしたりシステムに手を加えアクセス数が2倍になりました。月間3万件までアップしました。毎週火曜日の午後1~3時は編集会議。関わるメンバー約10人が集まり、次の特集はどうしよう、新しい情報は何だろうと、魅力的なページになるよう市の職員も加わり話し合っています。
来年はもっと魅力あるコンテンツを増やし、そうすればトップページのグラフィックデザインももっと素敵に作りかえますしね。
この事業は3年間の契約で、さ来年満期が来ます。今後は広告収益などをきちんと見込み、自主運営ができるようになるのが私の夢なんです。

慶応義塾大学湘南キャンパスとともに活動しているのがあります。在宅介護情報共有化推進事業と、インターネット健康コミュニティ事業の2つをおこなってきました。後者のインターネット健康コミュニティ事業は、生活習慣や食生活を見直すためのコミュニティです。食べたものや歩いた距離を入力すると、足りない栄養素や運動のアドバイスがもらえたり、仲間と競い合ったり励まし合ったりできるコミュニティですね。また月に1回の運動教室や栄養教室は実践的で楽しいですよ。とくに鎌倉女子大学栄養管理学科の学生さんが料理や栄養の指導をしてくれるときは張り切ります(笑)。現在は私たちSFSのメンバーがモニターとして参加し効果をあげています。研究を進めていますが、これらの経験をゆくゆくは地域に広げたいと考えておりいるので、今年藤沢市に提案事業として申請したところです。市民全体に健康の意識が高まれば、昨今話題のメタボリック症候群対策になりますし、長い目で見れば地域の人が健康で引いては地域の医療費削減につながる力強い活動なんですよ。


Q1 退職パーティっていくらくらいかかるの? Q2. コーディネーターは何をしてくれるの? Q3 どんな内容のパーティなの?